FDAがGazyva®/Gazyvaro®(オビヌツズマブ)をループス腎炎治療薬として承認

2025年10月、ロシュ社(Roche)は、Gazyva®/Gazyvaro®(obinutuzumab) が米国食品医薬品局(FDA)より、活動性ループス腎炎(lupus nephritis)を有する成人患者の治療薬として承認されたことを発表しました。
本剤は標準治療との併用が推奨されており、90分という短時間での点滴投与が可能です。この承認は、複雑かつ治療選択肢の限られていた自己免疫疾患領域において、新たな治療アプローチの確立を意味します。

承認の意義

ループス腎炎は全身性エリテマトーデス(SLE)の主要な合併症であり、世界で約170万人が罹患しています。その多くが女性であり、約3分の1が最終的に末期腎不全(ESKD)へと進行すると報告されています。

Gazyva/Gazyvaroは、B細胞を標的とする抗CD20モノクローナル抗体であり、第Ⅲ相臨床試験において標準治療に比べて有意な臨床効果を示した唯一の抗体製剤です。この承認は、患者のアンメット・メディカル・ニーズに応える重要な一歩といえます。

第Ⅲ相「REGENCY」試験の主要結果

多施設共同の第Ⅲ相試験(REGENCY試験)では、Gazyva/Gazyvaroを標準治療に併用した患者群で以下の結果が確認されました。

  • 完全腎反応率(Complete Renal Response, CRR):46.4%(標準治療単独群:33.1%)
  • タンパク尿、補体値、抗dsDNA抗体の改善
  • 糖質コルチコイド(ステロイド)使用量の減少
  • 安全性プロファイルは既存の腫瘍適応症と同等

これらの結果は、Gazyva/Gazyvaroが従来治療を上回る有効性を持つことを示すものであり、ループス腎炎治療の新たな選択肢として臨床的意義が高いことを裏付けています。

臨床および患者への意義

今回のFDA承認により、Gazyva/Gazyvaroはループス腎炎に対する新たな標準治療候補として注目されています。
本剤の導入により、腎機能の長期的維持、疾患進行の抑制、そして短時間投与による利便性の向上が期待されます。これにより、医療従事者にとっては治療の選択肢が拡大し、患者にとってもQOL(生活の質)の向上に寄与する可能性があります。

Greenstaff Life Sciencesは、ループス腎炎治療の進歩に貢献するRoche社およびGenentech社の皆様に心よりお祝い申し上げます。

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