
アステラス製薬は中国のバイオ医薬品企業、エボポイントバイオサイエンシズ社とライセンス契約を結んだと発表した。がん治療向けの抗体薬物複合体(ADC)について、中国本土などを除く全世界で開発・商業化する権利を得た。治療薬のパイプライン(新薬候補)を増やし、持続的な成長につなげる。
ライセンス契約を結んだADCは腫瘍など標的に結合する抗体とがん細胞を攻撃する薬剤を組み合わせた医薬品だ。エボポイント社のADCは「CLDN18.2」というたんぱく質を標的とする。胃がんや胃食道がん、膵臓(すいぞう)がんの治療薬として中国で第1、2相試験を実施しており、アステラスによると「良好な有効性が確認されている」という。
同じたんぱく質を標的とする医薬品にはアステラスの胃がん治療薬「ビロイ」がある。同社のこれまでの知見が生かせるとみている。
アステラスは契約一時金として1億3000万ドル(約185億円)をエボポイント社に支払う。開発の進捗や薬事承認など段階に応じて追加で一時金を支払うとしている。
アステラスは2026年3月期の連結業績への影響は「軽微」としている。